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LEICA SL

革新的な技術の搭載により、写真の世界に新たな創造性をもたらすカメラとして注目を集めている、ライカSL。
広告や雑誌などの第一線で活躍する舞山秀一氏に、その実力を探っていただきました。(「ライカスタイルマガジン」より転載)

2016.06.01

絵づくり優先の最新鋭機。

フォトグラファー 舞山 秀一

撮りたくなるツラ構えのカメラ

ライカSLを最初に目にした時の印象は、ミラーレスなのに案外存在感があるということでした。日本製のカメラがどんどん小型化する傾向にあるため、余計そう思えたのかもしれません。しかし、フルサイズのセンサーを活かすためには、レンズもある程度の大きさが必要なはずであり、その意味でライカSLのサイズ感はバランスが取れていると感じました。 カメラのサイズ感は、撮影スタイルにも影響します。コンパクトであればスナップなど気軽な撮影が向いているし、大きければどっしりと構えて撮りたくなる。ライカSLで何を撮ろうかと考えた時、最初は老人のポートレートとか、職人の手のアップなどを撮影しようと思いました。人間としっかり向き合いたくなるカメラで、その人が持つ深みのようなものを引き出すのに適している、そう思えたからです。また、カメラにはツラも重要です。いいツラ構えをしたカメラは、被写体に対して訴えかけるものがあり、撮る側の気持ちも高まります。ライカSLは、いいツラをしたカッコいいカメラだと思います。


ライカらしい厚みを感じる描写。

テスト撮影では、ライカSLが苦労しそうなシチュエーションをあえてつくりました。動きの激しいダンサーを被写体に、スタジオでコントラストの強い光を組んで撮影しました。写真を見て感心したのは、ハイライトの部分が飛びきらず、しっかりと残っている。フラットになりがちな暗部も、つぶれずにちゃんと再現していることでした。絵にとても厚みがあるという印象です。そのことは、データを見て一層強く感じました。データに厚みがあるから、いろいろといじっても絵が崩壊しないのです。 多くのカメラメーカーは、JPEG画像をいかにきれいに見せるかに注力しています。カメラが自動でデータを補正し絵づくりを行っているのです。私たちプロの場合は、JPEGではなくRAWで撮影するため、データそのものの質、世界感の違いを見てとることができます。ライカSLのデータは立体的でこってりとした印象があり、どうぞ自由に思い通りの絵をつくってください、と言われているような懐の深さを感じます。これはライカSLに限らず、ライカに共通する思想なのかもしれませんが、データをきちんと撮影者に渡そうという意志のようなものを感じます。スペックではなく、完全に絵づくりに重きが置かれ、設計されているような気がします。描写という点では、やはりレンズの素晴らしさに負うところが大きいと思います。これは、もう文句なくライカのレンズを褒めるしかありません。サイズ感も、撮っていて安心感を与えてくれます。今回は「ライカ バリオ・エルマリートSLf2.8−4/24−90㎜ASPH.」を試用しましたが、90㎜まであるのでレンズ交換せずにほとんどの撮影をカバーしてくれました。今後、いろいろな焦点距離のレンズが揃うと、さらに楽しさがふくらむことでしょう。ラインアップの拡充は、大いに期待する部分です。



カメラにまかせて安心して撮れる。

M型ライカが苦手な部分として動体撮影があげられますが、ライカSLはダイナミックな動きもフォーカスがしっかり追いかけ、難なく撮影することができました。連写についても、今回の撮影ではほとんどストレスは感じませんでした。また、定評あるEVFも驚くほどクリアに見え、しっかりとピントを合わせることができました。そうした意味では、安心してカメラに委ね、作画に集中することができると思います。操作性については、これはライカSLだから云々ではなく、どんどん使って慣れるしかありませんね。カメラも道具ですから、使いながら理解し自分のものにする他はありません。道具に慣れることが、いい写真を撮るためのひとつの近道だと思います。言えることは、ライカSLは非常に直感的でシンプルな構成となっているので、撮りたい時にしっかり撮れる、そういうカメラだと思います。

本気で撮る楽しさを教えてくれる。

ライカにはコンパクトカメラからミドルフォーマットのライカSシステムまで、幅広いラインアップがありますが、その中でライカSLは非常に使いでのあるカメラと言えるでしょう。高画質でレンズが交換できて、連写もきく。とくにスタジオ撮影で大きな威力を発揮するカメラだと思います。屋外では、モデル撮影などが良いと思います。スナップにはややサイズと重量があるので、M型ライカや、ライカQなどの方が向いていると思いますが、モデルをすえてしっかり撮るにはライカSLは最適ですね。そうしたシチュエーションでは、逆にライカSLの存在感が功を奏すと思います。最近のカメラはどんど賢くなり、ともするとカメラが全て撮っているのでは、と思ってしまうことがあります。たとえば、フィルムで撮っていた時代は36枚が限界で、次に撮るためにはチェンジする必要がありました。しかし、いまのカメラはバッテリーが続く限り、何枚でも際限なく撮れてしまいます。連写も、ものすごい速さでシャッターが切れていきます。そうした高い性能が、最終的にいい絵につながれば良いのですが、果たしてどうなのでしょう。個人的には疑問に思う部分もあります。ライカSLは、非常に高性能で便利なカメラに仕上がっていますが、撮っていて思うのは、そう簡単に写真は撮らせないぞと言われているような感覚があることです。そこがライカらしさなのかもしれません。撮る側に、本気で写真を撮る意識を促し、同時に楽しさを教えてくれるカメラだと思います。

フォトグラファー 舞山 秀一

フォトグラファー

舞山 秀一 (まいやま ひでかず)

  • 1962年 福岡生まれ。
  • 1984年 九州産業大学芸術学部写真学科卒業。
  • 1988年 APA AWARDにて奨励賞受賞。
  • 2014年 九州産業大学芸術学部客員教授就任。
  • 現在、ポートレートを中心に広告や雑誌、CDジャケット、写真集などで活躍。同時に、作品集の出版や写真展等を定期的に開催している。

作品用HP:www.maiyama.jp

新時代のミラーレスシステムカメラ「ライカSL」

新時代のミラーレスシステムカメラ

ライカならではの高品質な革新技術を取り入れたカメラ「ライカSL」。2400万画素のフルサイズCMOSセンサーや高性能な電子ビューファインダーを搭載し、高品質レンズ群との相乗効果により、圧倒的な描写力を発揮します。描写力、高速性能、汎用性のすべてにおいて写真の世界に新たな基準を打ち立てるカメラです。また、これまでに製造されたほぼすべてのライカのレンズが使用できるという優れた互換性も実現。ライカTカメラシステムのレンズはそのまま使用できるほか、ライカSシステム、ライカMシステム、ライカRシステムのレンズも、それぞれ専用のマウントアダプターを使って装着することが可能です。