Leica Q2 Monochrom

Impression Report by Leica Store Staff

モノクローム撮影専用デジタルカメラの新しいファミリーとして登場した「ライカQ2モノクローム」は、カラーフィルターを省いた新開発の4730万画素のモノクローム撮影専用センサーを搭載し、高精細なグラデーションが得られるモノクロ写真を撮影することができるモデルです。
今回は、同じくモノクローム撮影専用カメラである「ライカM10モノクローム」との違いも探りながら撮影したスナップ写真を紹介します。


使用機材:「ライカQ2モノクローム」「ライカM10モノクローム


1/4000秒 (f/5.6)・ISO200

沢山のカモメが飛び交っている中、カメラを構えてシャッターチャンスを待っていると、左右から交差するように飛んできたのでそれらが中央に来たタイミングでシャッターを切りました。

撮影後にPCで画像を確認したところ、残念ながらピント位置は中央を飛んでいるカモメではなかったのですが、路面にいるカモメの立体感や、かなり奥に見える大きな橋の照明灯までしっかりと写っている描写性能に驚きました。


1/5000秒 (f/5.6)・ISO200・-1 1/3EV

雲一つない空に無機質な建造物。階調や質感の描写性能を確かめるべく撮影しました。左下から右上にかけてのグレーのグラデーションも素晴らしいのですが、モノクローム撮影専用センサーの恩恵もあってか、建造物の質感描写は凄まじいものでした。

「ライカM10モノクローム」と比べると硬調に写る傾向がある分、建築物や街の雑踏のようなものをモノクロで撮るなら「ライカQ2モノクローム」は良い選択ではないかと感じました。


1/500秒 (f/2.8)・ISO200・-1EV

道路の向こう側にある建物のデザインと木のバランスに目が留まり撮影しました。28mmのままだと余計な部分まで写りこんでしまう場面も、クロップ機能で50mmに設定する事で意図した通りの構図で切り撮る事ができました。

ライカQシリーズに搭載されているクロップ機能は非常に便利なのですが、カラーフィルターを省いたセンサーを搭載した「ライカQ2モノクローム」は、特にクロップとの相性が良いように感じました。


1/5000秒 (f/1.7)・ISO200・-1EV

搭載されているレンズ(ズミルックスf1.7/28mm ASPH.)は2400万画素の初代「ライカQ」と同じレンズなのですが、ピントを合わせたボトルのようなオブジェの表面の質感からも、「ライカQ2モノクローム」の4730万画素の高性能なセンサーとの組み合わせにより、優れた描写性能を発揮していることがわかります。


1/100秒 (f/1.7)・ISO200・-1EV

商店街にあるお店の中に置かれていたトルソーにピントを合わせ、絞り開放で撮影してみました。撮影後にPCの画面で確認してみると、ガラス越しに撮影したトルソーの表面に張られた生地の毛羽までしっかり描写されていました。

「ライカQ2モノクローム」は、4730万画素の高画質に加えてカラーフィルターを省いたことにより目で見ている以上に細部まで描写する写真には驚きや悦びが潜んでいると思いました。


1/400秒 (f/2.8)・ISO200・-2EV

どこか異国情緒のある路地裏を白飛びしないようにかなりアンダーで撮影しました。編集ソフトでシャドー部を持ち上げてみるとノイズもない綺麗なディテールがしっかりと浮かび上がってきました。


1/125秒 (f1.7)・ISO200・-1EV

今回EVFでの撮影をメインとしたため、モニター設定を”EVFアドヴァンスド”として、プレビューを”OFF”に設定したところバッテリーの持ちが非常によく、2日間で500枚ほど撮影してもまだ残量に余裕がありました。

気温等の撮影条件やバッテリーの寿命で違いは出ますが、ファインダーメインで撮影される方や、バッテリーの消耗を抑えたい時には役に立つ機能ではないでしょうか。


1/50秒 (f7.1)・ISO400・-2EV (DNGデータをそのままJPGに書き出し)

1/50秒 (f7.1)・ISO400・-2EV (JPG)

DNGとJPEGの両方で撮影した画像を比較すると、JPEGはハイライトやシャドウ部を良好に補正し、白飛びや黒つぶれが起こりそうな部分をバランスよく仕上げているのが判ります。

特にアンダーで撮影したスナップ写真の暗部の露出のバランスが絶妙で、JPEGのみでテンポよくスナップ写真を楽しむのも良いと思わせてくれる仕上がりでした。 個人的には手の届く範囲の物や奥行きのない場所で撮りたい時は、普段よりも少し露出を下げると好みの写真になります。


1/50秒 (f/1.7) ISO500 -1EV

f1.7の明るいレンズに手振れ補正機能を搭載し、カラーフィルターが省略されている分高感度撮影でもノイズの少ないきれいな画像が撮れるため、夜間のスナップもテンポよく撮影することができます。


「ライカ Q2モノクローム」は、ライカQでもモノクローム撮影専用カメラが欲しいといった世界中の声に応えて発売されたモデルなのです。

レンズ一体型でモノクローム撮影専用センサー搭載という、ある意味「ライカM10モノクローム」よりもストイックな仕上がりは、所有欲や撮影の満足感をより刺激してくれます。

これから本格的にモノクロ写真を楽しみたいと考えているなら、カラー写真は他のカメラに任せて、「ライカ Q2モノクローム」で他のカメラでは得られないモノクロスナップを追求していくのも、きっと良い体験になるのではないでしょうか。


Photo By H -Leica Store Matsuzakaya Nagoya Staff-


使用機材・商品ページ

ライカQ2モノクローム

モノクローム撮影専用の35mmフルサイズセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラ「ライカQ2モノクローム」は、フルサイズコンパクトデジタルカメラとしては世界で初めてモノクローム撮影専用の撮像素子を搭載したカメラです。


ライカM10モノクローム

新次元の高画質を実現するモノクローム撮影専用レンジファインダー式デジタルカメラ「ライカM10モノクローム」は、超高画素の撮像素子により、光の状況を問わずシャープな描写でこれまで以上に高精細に細部まで表現できます。