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CONNECTION by Leitz Phone 1|Vol.9

LEITZ PHONE 1 ロゴ

独自の表現を生業とする人物に取材。「Leitz Phone 1」を軸に、
それぞれの活動と写真との結びつきや、写真に対する思いを語っていただきます。

“におい”を感じる写真を撮る

俳優・フォトグラファー/映像クリエイター

古屋 呂敏

第九回は、俳優・フォトグラファー/映像クリエイター、ほかにも雑誌やファッションショーのモデルなどマルチな才能を発揮している古屋呂敏さん。かねてからライカのカメラへの憧れを抱く中、「Leitz Phone 1」に出会ったことで、スマートフォンでありながらもライカの魅力の深さをあらためて見出しているようです。デザイン性、描写力、各種機能のどれをとってもライカのカメラを感じさせ、また逆にライカのカメラにはない強みも感じているとか。ライカを愛するプロのフォトグラファーが「Leitz Phone 1」を手にした喜びや感動を、古屋さんならではの使い方とともにお聞きしました。

古屋 呂敏イメージ1

多様性こそが感性を豊かにする

自分自身の肩書を誰かに伝えるとしたら、俳優、そしてフォトグラファー・映像クリエイター、と伝えます。俳優を志した理由は、もともと表現をすることが好きだったからです。俳優の仕事というのは、監督から与えられた役割や想いを、自分のフィルターを通して大きく膨らませる仕事。僕はその難しいプロセスが好きなのだと思います。

あの俳優のようになりたい、目指したいという気持ちは持っていません。僕はハワイ州立大学在学中、多数の人種や国籍の人々が入り混じるハワイならではの地域性の中で過ごしてきました。そこで多様性の素晴らしさを肌で感じ、誰かと違うことの尊さを知ったからです。だからこそ自分にしか出せない魅力や雰囲気を確立した役者になりたいと考えています。

フォトグラファーや映像クリエイターを同時にこなしているのも、自分自身の多様性と向き合っているからだと思います。写真や映像もまた表現をする仕事なので、僕の趣味嗜好にもぴったりフィットしています。

よく俳優として撮られる側と、フォトグラファーとして撮る側の対極的な仕事をなぜ同時に行っているのかと聞かれます。しかしモノづくりを行うという意味では共通で、別種の仕事に携わっている感覚はありません。むしろ多様な表現方法を持つことで世界が広がり、感性が豊かになると考えています。複数の表現方法を持つことが、自信にもなっています。

古屋 呂敏イメージ2

今年の2月に個人初の写真展を開催しました。テーマは反射や反映といった意味を込め、「reflection」というタイトルにしました。ふたりの若手女優さんをモデルに、鏡を使いながら光と影の美しさ、女優さんの表情の変化を切り取りました。僕はふだんから撮られる側と撮る側のふたつの視点を常に意識しているので、モデルさんの心の動きや移り変わりが直感的にわかるんです。僕自身の視点や、モデルさんの想いが行きつ戻りつする動きもいわゆる反射作用なので、それもreflectionというテーマの裏に込めました。


1枚の写真からストーリーが動き出す

撮影機材にはライカのカメラを使っていませんが、フォトグラファーである以上ライカへの憧れは常にあります。というか、じつは憧れがありすぎるほどライカを神格化しています。そのためライカを手にすることをためらっているのが本音です。果たして僕が使っていいのか、使いこなせるのかと怖さすら感じています。ライカを持つにふさわしいフォトグラファーになったと自分で納得ができたらM型ライカを手に入れて、ライカで撮った作品だけで写真展を開催するのがひとつの夢です。

そんなふうにライカのカメラを雲の上の存在のように見ている中で出会ったのが「Leitz Phone 1」でした。初めて手に持った瞬間、ライカのカメラのDNAを感じました。以前に知人のライカのカメラに触れたことがあるので、そのときの感触と同じ感覚がよみがえりました。M型ライカのデザインを彷彿とさせる優美なラインや無駄をそぎ落としたデザイン。すごくきれいなスマートフォンだと思います。

多くのスマートフォンカメラは、クリアでシャープ、コントラストがはっきりした写真が撮れ、またその方向性を目指しているように思います。しかし「Leitz Phone 1」で撮った写真は、そういった要素をほどよく抑えた滑らかさや優しさがあり、色味も含めてライカのカメラと同等の写真が撮れると感じました。スマートフォンなのに本当にすごい。ちょっと青みがかったライカならではの描写の美しさというか、特に夜の撮影ではシネマチックにブルーがかって美しさが際立ちます。

古屋 呂敏イメージ3

ライカのカメラの本領といえば、やはりスナップ撮影とポートレート撮影。「Leitz Phone 1」もその使い方でこそ本領を発揮すると思います。ライカのカメラを手に入れたら真っ先にストリートのスナップ撮影をしたいと思っていたので、いまは「Leitz Phone 1」がその欲求を満たしてくれています。今日も銀座から渋谷までの移動中に何枚も撮影してきました。

古屋 呂敏イメージ4

「Leitz Phone 1」にはちょっとしたクセがあって、シャッターを押してシャッターが切れるまでにわずかなタイムタグがあるんです。おそらく気にならない人は気づかない程度なのですが、動いている撮影対象を撮ると、撮れた写真が想像と違うものになることがあります。僕はそのクセがアナログ的な面白さのように感じてむしろうれしく思っています。ほんのわずかな時差が思いがけない描写になり、そこにストーリー性が宿るからです。特にモノクロ撮影ができるモードの「Leitz Looks」で撮影すると、さらに雰囲気が増して想像力をかきたてる写真が撮れます。

古屋 呂敏イメージ5

それは例えばスナップに写った道行くおばあちゃんの後ろ姿に、この人は月に1回の友人との食事会に向かう途中なのかな、あるいは1週間に1回息子さんに会いにいくところなのかなというふうに、写真には被写体の背景にあるストーリーまでも想像させる力があると思います。そういった“におい”の感じられる写真を僕は撮っていきたいと考えています。「Leitz Phone 1」はそれができるんです。においを引き出し、においを色濃くしてくれるスマートフォンカメラだと思います。


普段着の表情を引き出すカメラ

ポートレート撮影でも想像以上の威力を発揮すると思います。というのも、カメラを向けられると多くの人は緊張します。撮られることに慣れている役者さんなどでもそうですから。
あくまでもスマートフォンで撮るので、被写体はカメラを向けられるよりも緊張しないはず。それによって、日常やプライベートでしか見せない普段着の表情が撮れるかもしれません。カメラにはない思わぬ効果が得られそうで、とても楽しみです。

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機能面で魅力を感じたところは、本格的なマニュアル撮影ができること。それからブライトフレームを採用しているところです。まるでレンジファインダーのM型ライカを使っている満足感が味わえます。そしてシャッター音までM型ライカのカメラに近づけていると知り、そこまでこだわっているのかと驚きました。

「Leitz Phone 1」はライカのカメラと言っても言い過ぎではないと思います。僕のようにまだライカのカメラを持つには早いと思っている人や、ライカのカメラに敷居の高さを感じている人、いつかは持ちたいと思いながら迷っている人に最適な入門機になると思います。ライカの世界に踏み入る1歩目にふさわしい存在。少なくともフォトグラファーの僕にとっては、新しい体験や刺激を与えてくれる存在です。ライカのカメラを手にする日を、この「Leitz Phone 1」がグッと近づけてくれるかもしれません。

古屋 呂敏イメージ7
古屋 呂敏

古屋 呂敏

俳優・フォトグラファー/映像クリエイター。1990年生まれ、京都府出身。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。幼い頃からハワイと日本を行き来し、日本の高校を卒業後ハワイ州立大学、のちにマサチューセッツ州立大学アマースト校に進学。2017年よりフォトグラファー/映像クリエイター「ROBIN FURUYA」として活動。CHANEL、FENDIなどのハイブランドからISETAN、SK-iiなどの映像制作を手掛ける。フォトグラファーとしてはCMやアーティストのジャケット写真などを撮影。2022年2月にはギャラリールデコにて初の写真展「reflection」を開催。メインに活動している俳優業では「逃亡医F」「仮面ライダーセイバー」など多数に出演。特技はドローンで、FAA part107の資格(アメリカで商業的にドローンパイロットとしてドローンを飛ばす資格)を持つ。

現在放送中のフジテレビ系ドラマ「元彼の遺言状」(毎週月曜夜9時〜)に出演。

Twitter : @mynameis_Robin

Instagram : @robin_officialjp