Everyday Carry
日々のルーティーンにライカを
ー HIRO EDWARD SATO ー


©HIRO EDWARD SATO  HIRO EDWARD SATOの “Everyday Carry” 


25年ぐらい前に初めて「ライカM6」を手にした時からレンズは常に50mmを装着して撮影してきました。一番使いやすい画角で、歪みも少なく、見たままの撮影ができるのが特徴の50mmのレンズは、私にとって人物撮影には欠かせないレンズです。

私の普段の撮影で一番使用頻度の高いレンズは「アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. 」なのですが、今回はアップデートして新しく登場した「ズミルックスM f1.4/50mm ASPH.」の最短撮影距離が45cmと短くなったことに興味を持ち、どんな写真が撮れるのか、「ライカM11モノクローム」とともに撮影に出かけてみることにしました。



これまでの50mmのレンズと合わせて並べてみると一目瞭然ですが、一番右にある新しい「ズミルックスM f1.4/50mm ASPH.」の鏡胴が太くなったこともあり、よりホールド感が安定したように感じます。





最短撮影距離まで寄って子供達を撮影。ふわっと柔らかいもちもちした肌質、そしてボケ味も最高に美しいです。
普段の撮影では、45cmまで近づいて撮影することは少ないのですが、あると嬉しいオプションです。子供は、自然とカメラに興味を持って目線をくれるので、もう少し近づけたら良い表情が撮れるかも、と思う時がたまにあるのですが、そういった瞬間を逃さず撮影することができるのは嬉しいですね。


50mmはサイズも画角も日常的に使いやすいレンズです。ほど良い距離感が保てるので、カメラを意識させず、子供の何気ない表情を撮影することができます。



ライカ大丸心斎橋店およびライカ岩田屋福岡店にて現在展示中の作品を撮影するためにお借りしたロデオドライブ(RK ENTERPRISE co.,ltd)の原さんのクラシックカー『1956年のオースティンヒーリー』と『1970年のメルセデス280SL』を撮影。近接だからこそ表現できた質感がとても美しいです。
ハイライトからシャドーまでのトーンがモノクローム撮影専用の「ライカM11モノクローム」ならではの描写と世界観で表現できました。



マークパンサー(globe)


Shinnosuke(ex-SOUL’d OUT)


山田わたる(FENCE OF DEFENSE)


Ken Kimura


私はライブ撮影などでもライカを多用するのですが、「ライカM11モノクローム」で撮影した写真は、時によって雑音のようになりがちなカラー要素がなくなることで、被写体に自然と目が向き、表情などに注目しやすいので私は気に入っています。被写体となったパフォーマーの方々にもモノクロームで撮影した写真はとても喜んでもらえます。ステージ写真は、モノクロームで撮影すると、特にコントラストが綺麗に表現できます。

「ライカM11モノクローム」と「ズミルックスM f1.4/50mm ASPH.」の素晴らしい表現力を十分に堪能できる撮影でした。


使用機材:
ズミルックスM f1.4/50mm ASPH.<NEW> ブラックライカM11モノクローム




Photo by Kazuhiko Kanayama

HIRO EDWARD SATO

英国⽣まれ⽶国育ちの写真家・映像作家。
国内外問わず、ポートレイトをはじめ、コンサートからスポーツまで、幅広い分野で撮影を⾏う。ナチュラルかつ繊細に描写する写真を得意とし、広告、新聞、雑誌など多くの媒体で採用されている。
また近年では、ミュージック・ビデオやコマーシャル、⾃治体や企業プロモーション動画などの制作にも力を入れており、特にドローンを使った空撮映像を織り交ぜながら、独自の世界観を生み出しているのが特徴。エンターテインメント業界で培った経験を生かしながら、常に視聴者の興味を引くような「遊び⼼」を意識した作品づくりを心がけている。
アトランタを中⼼にアメリカ各地で撮影活動を⾏っていたが、2022年より⽇本に拠点を移す。