SPECIAL REVIEW
佐藤健寿「ライカ M EV1」インタビュー


※本内容は、LEICA STYLE MAGAZINE のインタビューをWebに再掲載したものです。
佐藤健寿氏には2026年1月発刊の48号に登場していただきました。


ライカ ノクティルックスM f1.0/50 ライカ ノクティルックスM f1.0/50

世界中のミステリーやワンダー、そして“奇妙なもの”を追い求め、ライカSLやM型を携えて撮影旅行をし続けている写真家・佐藤健寿氏。日々ライカを愛用する同氏に、新作のミラーレスカメラ「ライカM EV1」を撮影に使用していただき、そのフィーリングについて語ってもらいました。

ライカ ノクティルックスM f1.25/75 ASPH. ライカ ノクティルックスM f1.25/75 ASPH.

初めて手にした時、意外なくらい自然に使えたことに驚きました。ファインダーをのぞかない限りはM型ライカと同じ質感と手触り。違いを感じたのはピント合わせをした時です。レンジファインダーのM型ライカは、16mmや 21mmの超広角域のレンズを使う際、ピント合わせが少々難しい。望遠域のレンズでも同じことがいえます。そのためどんなレンズでもピント合わせが素早くできるように僕はライカSLを併用してきました。しかしライカM EV1は、広角域や望遠域のレンズでもピント合わせがしやすい。ということはSLに代わるカメラともいえるわけです。僕のように過酷なアウトドアフィールドを主体に撮影する写真家にとって、SLからM型に持ち替えられればM型はずっと軽量なので非常に助かるんです。

ライカ ズミルックスM f1.4/24 ASPH. ライカ ズミルックスM f1.4/24 ASPH.

僕が所有しているお気に入りのMレンズのひとつにノクティルックスの75mmがあるのですが、レンジファインダーだとピント合わせが難しいため撮影旅行に持って行く勇気が持てずにいました。けれども今回スリランカと沖縄の旅にライカM EV1と共にノクティルックス75mmも持って行きました。すると撮影した写真の8割はピントがしっかり合っていて驚きました。このカメラならば手持ちのズミルックス24mmやアポ・テリート135mmも撮影旅行に安心して持って行けると思いました。その他にも僕の持っているレンズでライカM EV1と相性のいいものは、ノクティルックス50mm、アポ・ズミクロン 90mm。特にアポ・ズミクロン90mmはピント合わせがシビアなので撮影旅行にはほぼ持って行くことがなかったのですが、ライカM EV1となら持って行けそうです。それからトリエルマーも活躍できそう。僕にとっては表現の幅が広がるカメラといえますね。

ライカ ノクティルックスM f1.0/50 ライカ ノクティルックスM f1.0/50

バッテリーの持ちのよさも予想以上でした。公称枚数は250枚とのことでしたが、僕の撮影では500枚はいけました。予備バッテリーも用意して撮影にのぞみましたが、1日の中でバッテリー交換をすることはなかったです。

ライカ ノクティルックスM f1.25/75 ASPH. ライカ ノクティルックスM f1.25/75 ASPH.

ライカM EV1はレンジファインダーが難しいと感じている初心者やシニア層、さまざ まなライカMレンズを活用したいユーザーにおすすめです。なにより軽量な点は、すべてのユーザーに喜ばれるはずです。ライカM10に比べると200g弱軽いですから。1日持ち歩くと違いがわかります。ただしこのカメラは、ストアで少し触っただけだと本来の魅力がわかりづらいと思うので、ある程度時間をかけて触れてみてほしいです。するとこのカメラの良いところがどんどん見えてくるでしょう。

ライカ アポ・ズミクロンM f2/35 ASPH. ライカ アポ・ズミクロンM f2/35 ASPH.

 

佐藤 健寿 / Kenji Sato プロフィール

写真家。『奇界遺産』シリーズ(エクスナレッジ)は写真集として異例のベストセラーに。ほか著書に『世界』『PYRAMIDEN』、『CARGO CULT』など。TBS系「クレイジージャーニー」ほか出演多数。写真展は過去、ライカギャラリー東京/京都、キヤノンギャラリーS品川、高知県立美術館、山口県立美術館、群馬県立館林美術館などで開催。「佐藤健寿展奇界/世界」は全国で巡回し13万人を動員。
約20年にわたり世界各地の奇妙なものを対象に撮影した作品を1冊にまとめた最新作品集『奇界/世界 佐藤健寿作品集』を2025年12月19日に刊行。

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