Mレンズの実力
LEICA SUMMILUX-M f1.4/28mm ASPH.
From Leica Style Magazine Vol. 25
広角でありながら大きなボケを使えるので、普通のスナップでもひと味違った印象の写真となる。
ライカM10・f1.4・1/3000秒・ISO100・WBオート・RAW
LEICA SUMMILUX-M f1.4/28mm ASPH.
大口径の魅力を存分に発揮
フォトグラファー 河田一規
数ある現行M型ライカレンズの中で、開放F値のバリエーションがもっとも充実しているのは50㎜レンズの5本(F0.95、F1.4、F2、F2アポ、F2.4)である。その次に多いのは
35㎜かな?と思いきや、これが意外にも28㎜で、4本(F1.4、F2、F2.8、F5.6)も揃っている。今や28㎜レンズの画角はそれだけ人気もあって市民権を得ているということだろう。ちなみに交換レンズではないけれど、フルサイズコンパクト機のライカQもレンズは28㎜というわけで、ライカの28㎜充実度は非常に高い。
そんなライカ製28㎜レンズの中で、もっとも大口径なのが今回試用したズミルックス28
㎜だ。このズミルックス28㎜が初めて世に出たのは2014年のことで、ライカ100周年を記念して発売されたボディ2台とレンズ3本からなる限定セット「ライカMエディション100」の中の1本として初お目見えした。このセットは101セットの限定で、しかもバラ売りはしなかったため、ズミルックス28㎜の写りを体験することはちょっと難しかったが、その発売からちょうど1年後の2015年6月。ついに単体レンズとしてラインアップされることになった。なお、ライカMエディション100に含まれていたズミルックス28㎜は、同セット内のボディやレンズに合わせてステンレス外装だったが、レギュラーバージョンは他のMレンズと同じくアルミ製
の鏡胴になっている。外観のデザイン的な意匠は他の最新M型ライカレンズと同じで、フルメタル製の高品質なレンズフードももちろん付属する。
ライカM10・f8・1/500秒・ISO100・WB=5500K・RAW
F1.4という明るさは低照度での撮影を可能にするという目的の他、背景や前景を大きくボカせるという効果もあるわけだが、絞り込めばパンフォーカスにもなるので、1本で色々な使い方ができるレンズである。レンズ構成は7群10枚で、そのうち異常部分分散ガラスを7枚、非球面レンズ1枚を使用している。全体のレンズ繰り出しとは別に前から5番目のレンズ群だけを単独移動させるフローティング機構により、近距離撮影時の諸収差もしっかりと補正するなど、贅を尽くした光学系を採用。とかくサイズが大きくなりがちなF1.4という大口径でありながら、フィルター径49㎜というコンパクトさを実現しているのはさすがだ。 写りは本当にシャープで、絞り開放から合焦部のピントの起ち上がりはとってもクリア。異常部分分散ガラスを7枚も採用した成果か、高輝度部のエッジに現れやすい色ニジミもほぼ完璧に補正されている。今回はスナップを撮ってみたが、広角なのにボケ味が抜群にキレイなので、室内ポートレートなどでもぜひ使ってみたくなった。
卓越した広角撮影を実現
限定セット「ライカMエディション100」の中の1本として2014年に登場したが、こちらは101セットの限定製品だった。それから約1年後、ステンレスだった外装を通常のアルミに変えたレギュラーバージョンが2015年6月に発売された。
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TECHNICAL DATA ライカ ズミルックスM f1.4/28mm ASPH.
画角
画角(対角線、水平、垂直) | 35mm判(24×36mm)(75°、65°、46°) |
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光学系
レンズ構成 | 7群10枚 非球面レンズ1枚 |
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入射瞳位置 | (第1面からの距離) 31.9mm |
撮影設定
撮影距離 | 0.7mm〜∞ |
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目盛り | メートル及びフィート表示 |
最大撮影倍率 | 35mm判 約526×789mm/1 : 21.9 |
絞り
設定方式 | クリックストップ (1/2 ステップ) |
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最小絞り | F16 |
絞り枚数 | 11枚 |
その他
レンズマウント | すばやい着脱が可能なライカMバヨネット、 デジタルMカメラ識別6ビット・コード付 |
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フィルターサイズ | E49 |
レンズフード | ねじ込み式の金属製レンズフードを付属 |
本体仕上げ | ブラック |
寸法・質量
先端からバヨネットフランジまでの長さ | 約 81mm |
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最大径 | 約 61mm |
重量 | 約 440g |
フォトグラファー 河田 一規 (かわだ かずのり)
1961年横浜市生まれ。
小学3年生の頃、父親の二眼レフを持ち出し写真に目覚める。
10年間の会社勤めの後、写真家、齋藤康一氏に師事し、4年間の助手生活を経てフリーに。
雑誌等の人物撮影、カメラ雑誌での新機種インプレッション記事やハウツー記事の執筆、カメラ教室の講師等を担当している。