【ライカGINZA SIX】 南雲暁彦 写真展 「The Another cut of Tokyo Moonscapes」 開催
ライカGINZA SIXでは、プロフェッショナルフォトグラファー 南雲暁彦氏がライカSL3-Sで撮影した写真展「The Another cut of Tokyo Moonscapes」を、2025年2月27日(木)より展示いたします。
現在、ライカギャラリー表参道およびライカ各ストアで展示中の本編「Tokyo Moonscapes 東京恋図」では展示しなかった、アナザーカットで構成した作品12点を披露します。
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© Akihiko Nagumo
月は追いかけてみるとなかなかの気まぐれで、その美しい姿を写し撮ることが難儀な被写体であると気づく。1日ではほとんどその軌道や日の出、日の入りの時間を変えない太陽とは全く違い、月の出、月の入りは平均して1日に約50分遅くなり。しかも30分だけ遅くなる日もあれば1時間10分も遅くなる日もあるという気まぐれぶり、出る位置も1日に12度ずつ東に動いていき、満ち欠けでその形も変わっていく。雲隠れも得意であり、まるでかぐや姫のように気難しい存在だ。
日本には、そんな月にまつわるとてもユニークで粋なエピソードがある。
明治時代の文豪、夏目漱石が英語の教師をしていた時のこと、「I Love you」を「我君を愛す」と訳した生徒に対し「日本人はそんな直球に愛を伝えることはしない。“月が綺麗ですね”とでも訳しておきなさい」と教えたという。
そんな日本人のもつ月へのロマンチシズムを胸に、東京の月景色を撮影したのがこの作品だ。
当たり前のように夜空に浮かぶ月、だがそれはほんのひと時のこと、その思い出はそこに湧き上がる感情の記憶。告白の言葉としてしつらえ、同じ月を見上げてお互いを想う、それは自らの感情の映し絵のようなものだろう。改めてこの月景色をもって、日本人の持つ浪漫を東京の夜空に描こうと思う。ぜひ自分の想いと重ねてご覧になっていただきたい。
「今夜は、月が綺麗ですね。」
写真展概要
作家 | 南雲暁彦 |
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タイトル | The Another cut of Tokyo Moonscapes |
会期 | 2025年2月27日(木)- 2025年6月19日(木) |
会場 |
ライカGINZA SIX 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX5階 Tel.03-6263-9935 |
営業時間 | 10:30-20:30 |
南雲暁彦/Akihiko Nagumo プロフィール
TOPPAN株式会社 チーフフォトグラファー「匠」
1970年 神奈川県出身 幼少期をブラジル・サンパウロで育つ。日本大学芸術学部写真学科卒
世界遺産を中心に世界約300都市での撮影実績を持つ。風景から人物、スチルライフとフィールドは選ばない。
近著「IDEA of Photography 撮影アイデアの極意」玄光社
APA会員。知的財産管理技能士。多摩美術大学統合デザイン学科・長岡造形大学デザイン学科非常勤講師