新製品「ライカ アポ・ズミクロンSL f2/35mm ASPH.」発売
ライカカメラ社(Leica Camera AG、本社:ドイツ・ウェッツラー、以下ライカ)は、ライカ SLシステム用の高性能なレンズのラインアップを拡充する新製品「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/35mm ASPH.」を発売いたします。「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/35mm ASPH.」は、革新的な製造方法と新しいテクノロジーによって圧倒的な描写力を実現するレンズで、ルポルタージュ写真に最適な焦点距離のレンズの新基準を打ち立てます。レンズマウントにはライカが開発した規格のLマウントを採用しているため、Lマウントアライアンスに参加するメーカー製のLマウントのカメラとも互換性があります。
「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/35mm ASPH.」は、絞りを開放にしても圧倒的な描写性能を発揮するため、光量が少ないシーンでの撮影にも理想的です。光学系にはきわめて複雑な形状のレンズを合わせて13枚使用しています。これにより、肌の自然な階調表現、ソフトなボケ、細部まで高コントラストで周辺部まで歪曲収差がなくシャープな画質という、ライカならではの非常に優れた描写を実現できます。また、SLレンズは絞り開放でも十分実用的に使用できるため、絞りを絞る必要があるのは画質を向上させたいときではなく、写真の印象を変えたいときだけです。
光学系を構成するレンズなどのガラス部品は光を屈折させますが、屈折率は色によって異なります。そのため、複数の色からなる光では焦点が一点に集まりません。これによって発生するのが色収差です。この色収差を最小限に抑えるために、「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/35mm ASPH.」にはアポクロマート補正を施しています。アポクロマート補正のために、光学系を構成する13枚のレンズの大部分に異常部分分散特性を持った高品質な特殊ガラスを用いています。これらのレンズは、ライカの工場でこれまで採用してきたレンズの製造方法の技術的な限界を打ち破る革新的な方法で製造されています。また、非球面レンズも5枚採用しています。
製造と開発の点では、従来のSLレンズをさらに進化させた最先端のレンズといえます。製造にあたっては、きわめて精度の高い製造方法と計測技術を新たに導入しました。これにより、ボディのさらなるコンパクト化と大幅な軽量化、そして描写性能のさらなる向上を実現しています。開発においては、迷光と反射の低減も最重要課題のひとつとして重視しました。その結果、光学系とメカニズムの設計を最適化することや、レンズの表面に上質なコーティングを施すことで、反射を極限まで抑えています。また、水滴やほこりの侵入を効果的に防ぐシーリングを採用するとともに、フロントレンズの表面に「ライカ アクアデュラ™」コーティングを施しており、どのような天候においても安心して使用できます。
オートフォーカス機構には、DSD®(Dual Syncro Drive™)を採用したきわめて強力で耐久性に優れたステッピングモーターを使用しています。これにより、約0.25秒の高速オートフォーカスを実現しています。ライカの革新的な技術力は、オートフォーカスだけでなく、マニュアルフォーカスにも活かされています。マニュアルフォーカスを行うためのフォーカスリングでは、磁極を反転させることができるリング状の磁石を搭載するという、これまでにないまったく新しい構造と仕組みを採用しています。フォーカスリングを回すとこの磁石の磁極が反転し、それをセンサーが検知してその情報をメインプロセッサーに伝達します。その情報からフォーカスリングの回転量と速度に基づいてピントの位置を調節する仕組みになっています。そのため、これまで以上に高速かつ高精度なマニュアルフォーカスが可能です。
「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/35mm ASPH.」は、ライカストア、ライカブティックおよびライカ正規特約店にて2019年4月に発売予定です。