Everyday Carry
日々のルーティーンにライカを
ー ジョバンニ・ピリアルヴ ー


ジョバンニ・ピリアルヴの“Everyday Carry”



母親が持っていた一眼レフカメラのおかげで、8歳から写真を撮り始めました。イタリアのサルデーニャ島にあるサッサリ市に住んでいて、叔父は写真店を経営していたため、家には常にフィルムが溢れており、現像もしていました。当時は、いつか自分が東京に住み、シャッターを切ることが私の個人的かつ職業的な人生の一部になるとは夢にも思いませんでした。

ライカを使って、主にストリートフォトグラフィーを撮っています。このジャンルは他とは違う美しさがあります。東京を歩いていると、建築要素とその周りの動き、自然光や都会の光、人々が空間を利用する様子に魅了されます。一見すると都市は純粋で混沌としたものに見えるかもしれませんが、私は、その中にある秩序や、特定の物語を伝える詳細なディテールを見つけ出すことが好きです。形を変える影、日常生活や過去・未来を語る表情豊かな顔など。これらの瞬間を捉えることは大きな喜びです。撮影とプリントを行う時から始まる会話であり、その後も、写真を見る人の想像力によって続くものです。これが写真の最も好きなところです。現実に存在するかもしれないものを暗示し、明確にすることなく、画像と見る人との相互作用に余韻を残し、私はほぼ背景に退きます。

私は撮影するカメラへの愛情が重要だと考えています。カメラでの撮影は自分の世界観を表現し、二度と訪れない瞬間を捉える手段です。カメラに慣れ親しみ、徹底的に理解することで、日常のルーティーンを創造的な機会に変え、どんな状況下でもその瞬間を捉える準備ができています。私にとって、ライカのMカメラは、カメラなしでは外に出たくないという気持ちを維持するすべてのものを備えています。

さて、今回は旅について書くことにしたので、「私の」東京は置いておきます。興味のある方は、ぜひウェブでご覧ください。

日本国内を旅行する際、荷物の制限がないときは、私のお気に入りのレンズであるズミクロンM f2/35mm、アポ・ズミクロンM f2/75mm ASPH.、アポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH. を常に持って行きます。これは最近訪れた東北旅行先で、75mmレンズを使って撮影した数枚の写真です。





少し遠くに行きましょう。今年5月、スペインのメノルカ島で開催された写真キャンプに、世界中の10人の写真家と一緒に私も招待されました。私たち教師、運営チーム、そして50人の生徒達は、一週間ずっと写真に専念し、日の出、日の入り、夜の撮影を行うために多くの睡眠時間を犠牲にしました。その写真キャンプにはもちろん、ライカM10とズミクロンM f2/35mmを持って行きました。

私は、メノルカから数キロしか離れていないサルデーニャで生まれたので、飛行機が着陸するとすぐに土地の類似性に気づきました。地中海の島々には共通の特徴があり、それぞれの国ごとに文化的な背景があります。これがメノルカを親しみやすく、また同時に異なるものとして感じる理由です。

言いたい事は以上ですが、このスペインで私と一緒に時間を過ごしたライカM10と私が持ち帰った瞬間、詳細、ファンタジーな遊びを捉えた作品をご覧ください。





良い旅を。そしてアスタ・ルエゴ、メノルカ!








使用機材
ライカM10・ アポ・ズミクロンM f2/75mm ASPH.ブラックアポ・ズミクロンM f2/50mm ASPH.ブラック・ ズミクロンM f2/35mm





ジョバンニ・ピリアルヴ/Giovanni Piliarvu プロフィール

1978年生まれ。イタリア・サルデーニャ島出身。風景、ストリートスナップ、祭りなどを主に撮影。アイランドギャラリーでの展示をはじめ、個展やグループ展を数多く開催している。2023年には同僚のリー・チャップマンと共に写真集「Tokyo Conversations」を出版。また、NHK・Eテレ「しあわせ気分のイタリア語」にも定期的に出演している。

Web : http://giovannipiliarvu.com/
Book : https://www.giovannipiliarvu.com/tokyoconversations

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